労働安全衛生
労働安全衛生
1.はじめに
溶接に従事する作業者の安全と健康を確保することは車体整備工場を経営するものとして必須の取り組みであり、安全管理意識の向上および管理体制の構築は不可欠です。
溶接及び関連する作業の安全・衛生に係る法令の情報をすべて解説することは困難であるため、車体整備における最低限の労働安全衛生について記述します。
溶接及び関連する作業の安全・衛生に係る法令の情報をすべて解説することは困難であるため、車体整備における最低限の労働安全衛生について記述します。
2.労働安全衛生について
作業者及び周辺の安全衛生の確保は、労働安全衛生法等の関連法規に基づく事業者の指導等の義務、作業者のルール順守などから実施されます。
労働安全衛生法は「事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。」としています。
ミグ・マグ溶接を含むアーク溶接は、労働安全衛生規則第三十六条で「特別教育が必要な危険又は有害な業務」に指定されています。
従って、事業者は作業者に対してアーク溶接に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければなりません。
特別教育の内容は、安全衛生特別教育規程第四条で「アーク溶接等の業務に係る特別教育は、学科教育及び実技教育により行うものとする。」とされ、具体的な「科目・範囲・時間」なども定められています。
また、労働安全衛生法は、第三百二十五条で「事業者は、アーク溶接のアークその他強烈な光線を発散して危険のおそれのある場所については、これを区画しなければならない。」「事業者は、前項の場所については、適当な保護具を備えなければならない。」とし、周辺の安全衛生の確保も義務付けています。
参考:安全衛生情報センター
労働安全衛生法は「事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。」としています。
ミグ・マグ溶接を含むアーク溶接は、労働安全衛生規則第三十六条で「特別教育が必要な危険又は有害な業務」に指定されています。
従って、事業者は作業者に対してアーク溶接に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければなりません。
特別教育の内容は、安全衛生特別教育規程第四条で「アーク溶接等の業務に係る特別教育は、学科教育及び実技教育により行うものとする。」とされ、具体的な「科目・範囲・時間」なども定められています。
また、労働安全衛生法は、第三百二十五条で「事業者は、アーク溶接のアークその他強烈な光線を発散して危険のおそれのある場所については、これを区画しなければならない。」「事業者は、前項の場所については、適当な保護具を備えなければならない。」とし、周辺の安全衛生の確保も義務付けています。
参考:安全衛生情報センター
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労働安全衛生規則第三十六条
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特別教育
3.溶接安全衛生リスクの把握について
半自動アーク溶接における労働災害は、主に下記3点による健康被害や事故の防止等の対策をすることにより防ぐことができるという視点で対策を練ることが重要です。
1.アーク光
アーク溶接時に発生する「アーク光」は、人体に有害な「紫外線」や強力な「可視光線」を発生させる。特に紫外線は、UV-Cに属する、最も有害な紫外線であり、目の保護だけでなく、皮膚の露出も健康被害の原因となるので対策が必要。
2.ヒュームガス
金属が溶融するに際し、一部が蒸発凝固して微細な個体粒子が煙のように発生するが、これが「ヒューム」であり、またシールドガスやフラックス、母材に付着した油分や塗料などが燃焼することでガスが発生する。肺に吸引されると、主に「じん肺」や「中毒」等の健康被害をもたらす。
3.高温になった母材やスパッタ
鉄の融点は1,500度以上であり、溶接直後の母材や溶接時に飛び散る「スパッタ」による火傷や可燃物への延焼、有機溶剤等の容器にスパッタがあたることによる爆発等が考えられる。
その他起こりえるリスクとして、感電、シールドガス漏れによる中毒、高圧ボンベの転倒、高所での作業では落下等々、様々な角度から溶接作業リスクを算定し、対策を取る必要があります
1.アーク光
アーク溶接時に発生する「アーク光」は、人体に有害な「紫外線」や強力な「可視光線」を発生させる。特に紫外線は、UV-Cに属する、最も有害な紫外線であり、目の保護だけでなく、皮膚の露出も健康被害の原因となるので対策が必要。
2.ヒュームガス
金属が溶融するに際し、一部が蒸発凝固して微細な個体粒子が煙のように発生するが、これが「ヒューム」であり、またシールドガスやフラックス、母材に付着した油分や塗料などが燃焼することでガスが発生する。肺に吸引されると、主に「じん肺」や「中毒」等の健康被害をもたらす。
3.高温になった母材やスパッタ
鉄の融点は1,500度以上であり、溶接直後の母材や溶接時に飛び散る「スパッタ」による火傷や可燃物への延焼、有機溶剤等の容器にスパッタがあたることによる爆発等が考えられる。
その他起こりえるリスクとして、感電、シールドガス漏れによる中毒、高圧ボンベの転倒、高所での作業では落下等々、様々な角度から溶接作業リスクを算定し、対策を取る必要があります
4.安全具の装着について
次に、ミグ・マグ溶接作業を行う上で、作業者が身に付けなければならない最低限の装具について解説します。
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前述、「アーク光」「ヒューム・ガス」「火傷・火災・爆発」のリスクから作業者を守るという視点から、作業者には下記のような安全保護具の装着が推奨される。
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溶接面
溶接時に発生する強烈な可視光線や、有害な紫外線、溶接時に飛び散るスパッタから作業者の目や顔を保護する役割があります。 -
フェイス プロテクター・保護メガネ
溶接箇所の研削時に、研削粉から目や顔を保護します。この時、保護メガネを併用すると効果は高くなります。 -
防塵マスク
溶接時に発生する、人体に有害なヒュームガスや、金属の粉塵から作業者の呼吸器系統を保護します。
厚生労働省が定める規格または安全装置を備えているものでなくてはなりません。 -
溶接エプロン
溶接エプロンは、耐火性能に優れており、スパッタから作業者を保護する役目があります。 -
腕カバー
露出する皮膚を覆い、スパッタによる火傷や、紫外線から腕を守ります。 -
皮手袋
スパッタや溶融部接触から手を保護する役目があります。皮手袋の中でも、アーク溶接用の、厚手で腕カバー兼用になる袖が付いているものがお勧めです。 -
足カバー
露出する皮膚を覆い、スパッタによる火傷や紫外線から足を守ります。 -
安全靴
靴のつま先部に鉄板が入っており、溶接作業時の重量物落下によるつま先保護や、溶接時に飛び散る溶融金属から作業者の足を保護します。
これらを作業実態に合わせて身につけましょう。
尚、使用するしないにかかわらず、工場の管理者はこれらの安全具を作業者の人数分そろえ、決められた保管場所に装備するだけでなく、これを適切に使用することを作業者に啓蒙しなくてはなりません。
尚、使用するしないにかかわらず、工場の管理者はこれらの安全具を作業者の人数分そろえ、決められた保管場所に装備するだけでなく、これを適切に使用することを作業者に啓蒙しなくてはなりません。